|
[ CD ]
|
Dark Unto Themselves
・Cecil Taylor Unit
【Tokuma】
発売日: 2001-06-12
参考価格: 1,503 円(税込)
販売価格: 1,711 円(税込)
|
- 収録曲 - 1. Streams and Chor...
|
カスタマー平均評価: 5
David Wareが素晴らしい!! セシル・テイラーのグループとしての名作はブルーノートの2作やカフェ・モンマルトルのライブ等数々あるが、1970年代のものとしてはこれが最も素晴らしいと思う。1970年代中期はソロアルバムに傑作が多く(Indentが最高傑作)本当に充実期だったんだと納得できる。このアルバムで彗星のごとく現れたデビッド・ウエアーの演奏には鳥肌が立ってしまう。CDになって一気に聞けるようになったので、フリー・ジャズが好きな方には絶対の推薦版であると確信している。
セシルのピアニズムに乾杯 紛れもナシのジャズ・ジャイアントのひとりが残した最高傑作の一枚。 J・ライオンズ&A・シリルとの三位一体のコラボレーションから、ミューズが舞い降りる至上の瞬間に立ち会えるはずである。
|
|
[ CD ]
|
Interstellar Space
・John Coltrane
【Impulse!】
発売日: 2000-06-06
参考価格: 1,409 円(税込)
販売価格: 1,915 円(税込)
|
- 収録曲 - 1. Mars 2. Venus 3. Jupiter 4. Saturn 5. Leo [*] 6. Jupiter Variatio...
|
カスタマー平均評価: 4.5
曲順が 所有しているUS版では"Leo"と"Jupiter Variation"が途中で入っていてイマイチなのだ。ボーナストラックを最後にまとめるこの編集は良いです。内容はラシードアリが物足りないことを除いて満点。つなぎで鈴をふっているのはシェップだそうだ。これをカルテットで(トレーン+アリス+ギャリソン+アリ)聴きたかったな。
絶え間なく叫ぶコルトレーン コルトレーンの死後、あまたの数の未発表音源が発掘されましたが、サックスとドラムという2ピースによるセッションというのは、唯一この作品だけだと思います。メンバーはラシッド・アリで、1967年2月22日の録音。CD化にあたって「Leo」と「Jupiter Variation」の2曲がボーナストラックとして追加され、全6曲構成になっています。
ラシッド・アリが打ち鳴らす鈴のようなハイアットを合図に、コルトレーンの悲鳴にも聴こえる叫びが延々と続きます。もはや曲のタイトルとか、曲順などという世俗的な要素は、このアルバムにとってはまったく意味をなしていません。極めてプライベートなスタジオセッションとも思えるこの作品は、とにかくコルトレーンの悲痛なインプロヴィゼーションの嵐とラシッド・アリとの息の詰まるような格闘を、じっと見守るためにあるようなものです。したがって、作品的な価値を求めるというよりも、資料的な意味合いが濃厚なアルバムと言えます。コレクター・アイテム的なこのアルバムは恐らくコルトレーンが存命なら、永遠に日の目を見なかったでしょう。
それにしてもひとしきりコルトレーンが叫びまくった後、場の空気をクールダウンさせるラシッド・アリのハイアットが何とも形容しがたい悲しさを秘めています。
素晴らしいテナーサックスの響き! Rashied Ali(ds)を従えた John Coltrane(ts) 最初で最後のデュオ・アルバム。1967年の Coltrane は2月15日「Stellar Regions」、2月22日「Interstellar Space」、2月から3月の間の録音が集められた「Expression」、そして4月23日のライブ「Olatunji Concert」の4枚がアルバム化されている。 インパルス後期の Coltrane で時に顕著だった重力域から脱出しようとするかのような激烈な上昇ブローも、ここでは遂に成層圏を突破して束縛から解放されたかのような伸びやかさを獲得。オーロラのように複雑な彩りをみせるテナーの響きと、動摩擦の大きい音が嵐のように頭の中を通過していく様は気持ちよく爽快で、「Live in Japan」ではアルトによる演奏しか聴けない「Leo」もテナーの響きを活かしきったゾリゾリのブローとなっていて最高。 ソプラノによる「My Favorite Things」で自由に天空を旋回した Coltrane がテナーで同高度の飛翔を感じさせる傑作だ。
The Rings of Saturn もぜひ! この盤を好きな方は、Rashied Ali & Louie Belogenisのデュオも気に入ってもらえるのでは?と思います。音もいいですし、お奨めします。
隠れた名作 1967年2月22日の録音で、死の5ヶ月まえ。演奏はコルトレーンとドラムのラッシド・アリとのデュオ。つまり、ベースやピアノは無しと言う特異な内容なので皆にオススメというわけではありません。しかし彼らのプレイは二人だけでも十分激しく、たっぷりしていて、物足りないと言うことは無く、むしろなぜもっと話題にならないのかと残念に思うくらいの出来で彼の最晩年の作品の中で最も知名度が低いのは残念でなりません。自分などは最近話題のオラトゥンジ・コンサートよりもこちらの方が彼のサックスが楽しめて好きなくらいです。
|
|
[ CD ]
|
フリー・ジャズ(+1)
・オーネット・コールマン
【Warner Music Japan =music=】
発売日: 2008-02-20
参考価格: 1,800 円(税込)
販売価格: 1,709 円(税込)
|
- 収録曲 - 1. フリー・ジャズ 2. ファースト・テイク*Bonus ...
|
カスタマー平均評価: 4
偉大なる実験 ませた高校生がいたものだ。BS&Tやシカゴに興味を持っていた僕に、日野皓正というカッコいいトランペッターの存在を教えてくれた同級生がいた。彼もそのころジャズに急に目覚めたらしく、アート・ブレイキーやらジョージ・大塚のアルバムを買い、コルトレーンやロリンズがすごいなどと嘯いていた。日野のスネイク・ヒップを聴きマイルス・イン・東京やスタン・ゲッツなど少しずつアルバムも集めていた僕に、オーネット・コールマンはすごいなどとまたまた新たなネタを提供した彼の部屋で聴いたのがこの「フリー・ジャズ」であった。ジャクソン・ポロックの絵画をあしらったジャケットと左右のスピーカーから別のコンボがそれぞれ音の洪水をこれでもかと浴びせるサウンドに圧倒された。そこに、エリック・ドルフィーやフレディ・ハバード、スコット・ラファロといったおなじみのミュージシャンも参加していたことを知ったのはのはもっとあとになってからのことであった。当時ませた彼がどこからか探してきたジャズの入門書的な記述にオーネット・コールマンを「10年後でも通用する未来のジャズだ」といったことが書かれていたことが思い出される。それから35年は過ぎていることを考えると、10年どころか30年、いや50年後も立派に通用するジャズのエポックメイキングなアルバムであったことがわかる。演奏の内容も含め、今後とも再検証される偉大なる実験作だといえる。
|
|
[ CD ]
|
マイ・スパニッシュ・ハート
・チック・コリア ・ゲイル・モラン
【ユニバーサル ミュージック クラシック】
発売日: 2003-05-21
参考価格: 1,995 円(税込)
販売価格: 1,895 円(税込)
|
- 収録曲 - 1. ラヴ・キャッスル 2. ザ・ガーデンズ 3. デイ・ダンス 4. マイ・スパニッシュ・ハート 5. ナイト・ストリーツ 6. ザ・ヒルトップ 7. ザ・スカイ:パート1.チルドレン... 8. ウィンド・ダンス 9. アルマンドのルンバ 10. プレリュード・トゥ・エル・ボゾ 11. エル・ボゾ,パート1 12. エル・ボゾ,パート2 13. エル・ボゾ,パート3 14. スパニッシュ・ファンタジー,パー... 15. スパニッシュ・ファンタジー,パー... ・・・
|
カスタマー平均評価: 4.5
緻密な電子絵巻 音楽を真面目に聴きだしたのがクラシックからだったためだと思いますが、ジャズ・フュージョンのジャンルに興味を持って以来、私は疑念というか一種のわだかまりの様なものが少しずつ大きくなるのをどうしても抑えられませんでした。
ただテクが凄いとか面白い事やってるというだけでは、訴える力に限界がある。最初と最後にテーマを合わせ中間のアドリブは各人好き勝手、では骨格が弱すぎるのです。曲全体・アルバム全体を見渡す視点で構成するという、クラシックでは常識の手法を取り入れる事に、なぜ誰もトライしないのだろう?
その命題(ジャズのアート化)に先鞭を付けたのはマイルスでしたが、チックの解答はこのユニークでスマートな「マイ・スパニッシュ・ハート」でした。これを聴くと、チックという人は何よりまず頭脳明晰で、メンバーの統率力に優れ、アルバム全体のビジョンを非常にクリアに持っている事が良くわかります。「外向的なスタジオ向きの秀才」チックは「内向的なライブ向きの天才」キースとは全く異なる資質の持ち主なのです、誤解を恐れずに言うと。
何にせよ、これだけ楽しくかつ緻密に構成されたアルバムに出会える事は滅多にありません。チックの現代版ドン・キホーテ物語(R・シュトラウスではなくバルトークへのオマージュではありますが)、文句なしの傑作です。
アコースティック・チックとエレクトリック・チックの見事な融合 この作品で一番感じる特長点はアコースティック・チックとエレクトリック・チックの見事な融合だ。ソロをスタートしてからチックはアルバムごとにアコースティックはアコースティック。エレクトリックはエレクトリックとしっかり区分けした中で作品を創ってきていて、その後もその考えは踏襲されているが、この作品だけは違う。二人のチックが見事なスパニッシュ・ハートの元に溶け合っている。しかも単なる融合なのではなく、弦楽四重奏的なファクターやサンバのリズムや明るいホーンセクションの導入など実に幅広い音楽が見事に組み込まれた作品に仕上がっている。聴いているとどんどん頭の中のシナプスが活性化してくるのを感じる。何しろ音楽のレベルも高い上に、演奏が全メンバーが飛び抜けてうまい。特に、スタンリー・クラークのベースが特筆できる。
スペインへの想い とても良いアルバムに仕上がっていると思います。特に「アルマンドのルンバ」はチックファン、ジャズ/フュージョンファンならずとも聴いていれば自然に身体でリズムをとってしまうようなキャッチーなテーマをもつ曲です。ヴァイオリンによるソロも非常にカッコイイ。他にも佳曲がもりだくさん、もし気に入らないとしてもアルマンドのルンバのためだけに買って損はないかと思います。
|
|
[ CD ]
|
John Zorn: Asmodeus - Book of Angels, Vol. 7
【Tzadik】
発売日: 2007-06-26
参考価格: 1,597 円(税込)
販売価格: 1,764 円(税込)
|
- 収録曲 - 1. Kalmiya 2. Yezriel 3. Kezef 4. Mufgar 5. Armaros 6. Cabriel 7. Zakun 8. Raziel 9. Dagiel 10. Sensenya
|
カスタマー平均評価: 5
脳中雷撃! 鬼才John Zornの楽曲を様々なアーティストがカヴァーするシリーズの第7作目。ギタリストMarc Ribotのリードを中心に、ベースにTrevor Dunn(Fantomas)、ドラムにG.Calvin Westonを据えたトリオ編成。
これぞトリオの旨み炸裂!とお顔もニヤける、電撃作戦!めいて展開する速攻のアンサンブル。空間を裂き、轟音と共に閃く稲妻のようなインプロから、邪悪なイロと共に揺れ惑うブルージーなリフの最果てまでをも高速で行き来するギターがすんばらしい!衒いの余剰がまるで無い、抜き身の狂騒が一瞬のうちに耳朶を切り裂き中枢を熱く焼いていく。ほとんど認識する以前に終わっているような、立ち上がり軋み、鳴きながら飛翔し炸裂するアンサンブルの白熱がやたらと感覚的に印象深く、アタマで理解するというより完全にカラダのほうへ作用する。
Bass/Drumの2人も場所によっては相当無茶なプレイで魅せてるが、手綱を握ってるのはやっぱりRibot。暴れ馬然とした全体を完璧に乗りこなしてる。およそ聴いたことがある中では、Psychic ParamountやCoptic Lightあたりが頭を過ぎるカオティック爆撃音ながら、ちょっとこちらはそのスキルが違いすぎるかも。超硬質かつ滑らかで哀愁にも満ちた叙情を溢れさせる、目の眩むような光速体験を可能にする40分間。ワンダフル!
|
|
[ CD ]
|
Chapter One: Latin America
・Gato Barbieri
【Verve】
発売日: 2009-01-27
参考価格: 1,127 円(税込)
販売価格: 1,237 円(税込)
|
- 収録曲 - 1. Encuentros 2. India 3. China Leoncia Ar... 4. Nunca Mas 5. To Be Continued
|
カスタマー平均評価: 5
中南米の哀愁と躍動感に満ちた傑作! ガトー・バルビエリは確かアルゼンチン出身だと記憶しているが、一口に「中南米」といっても、メキシコやブラジルとは異なったテイストを濃厚に感じる。
ガトーのテナーはのっけからフリーキーなトーンでブロウしまくるが、決してヨーロッパ的なフリーのカオスに陥ることなく、生命の躍動感に満ちていて、聴いているこっちまで歓喜が感染してしまう。
民族フルート系の多用がアクセントになっているとおもうが、ギターやフェンダーベースが西洋的モダンな感触を持ちこんでも、音楽そのものが不鮮明になることはない。高いレベルでメルトダウンしている。
ジャズの世界で傍流としてガトーのことを敬遠しているリスナーが居たら、いますぐ耳を白紙に戻して、本作を聞いてみましょう!
奇跡の再発! UNIVERSALが出している「JAZZ THE BEST」、とうとうシリーズ280枚目として やっとこさ我らが大将・GATO BARBIERIの御登場である。 いや、心底嬉しい! 長い事お蔵入りしていた作品が、またこうやって日の目を浴びるのかと思うと、 黙ってはいられない! IMPULSE!でのシリーズ第一作が、またこうやって気軽に お手元で聞けるようになったのだから・・・。感慨一入。GATOはこの「CHAPTER」シリーズを4枚の残している。 その中でも特筆すべき 内容がこの「ONE」だ。 故国・ブエノスアイレスに里帰りし、昔の音楽仲間や地元 ミュージシャンを集めてのレコーディング。民族楽器QUENAからINDIAN HARPまで 繰り出してのドンチャン騒ぎ。 いつも以上にPOWER&PASSIONが感じられるのは、 「故郷に錦を飾って」のリラックスした証拠なのであろうか? いつもながらの 灼熱ブロウも遺憾なく発揮されてい、地元アルゼンチンの音楽とも見事な渾然一体となし、 今までにないような完成度を誇っている。 。GATO自身としても、このアルバムは かなり楽しんで作ったのではなかろうか? 無論捨て曲なし・掛け値なしの最高傑作! 1曲目「ENCUENTROS」から、5曲目の 「TO BE CONTINUED」まで怒涛の如く流れる大GATO節! まるで南米・アンデス 山脈のような大きさだ。 この大南米JAZZ、とくと!!
|
|
[ CD ]
|
Jazz Advance
・Cecil Taylor
【Japanese Import】
発売日: 1991-07-02
参考価格: 1,127 円(税込)
販売価格:
|
- 収録曲 - 1. Bemsha Swing 2. Charge 'Em Blues 3. Azure 4. Song 5. You'd Be So Nice... 6. Rick Kick Shaw 7. Sweet and Lovely
|
カスタマー平均評価: 0
|
|
[ CD ]
|
50th Birthday Celebration Volume Eleven
・Bar Kokhba Sextet
【Tzadik】
発売日: 2005-07-26
参考価格: 2,161 円(税込)
販売価格: 2,387 円(税込)
|
- 収録曲 - 1. Intro 2. Lilin 3. Ner Tamid 4. Karet 5. Yatzar 6. Khebar 7. Eitan 8. Kivah 9. Teli
|
カスタマー平均評価: 0
|
|
[ CD ]
|
The Great Pretender
・Lester Bowie
【ECM】
発売日: 2008-10-28
参考価格: 940 円(税込)
販売価格: 1,636 円(税込)
|
- 収録曲 - 1. The Great Preten... 2. It's Howdy Doody... 3. When The Doom (M... 4. Rios Negroes 5. Rose Drop 6. Oh, How The Ghos...
|
カスタマー平均評価: 4.5
水鳥の水面下の足 20年以上も前の録音です。そしてECMというと私はある傾向を思い浮かべてしまうけれどこのレコードに関して言えばそういう事は忘れていました。
素直に淡々とメロディーを大事に吹いていてそれがまた良いのです。
ジャケット写真は静謐な感じなのだけれども苦労して早朝払暁の時間に撮ったんだろうなとむしろ一生懸命さが透けて見えるような素朴な写真でこれがまた演奏の内容にも重なってきます。
なんだかあまりレビューになってませんがそんなところで。
グレイト・ブラック・ミュージック! アルバムタイトル1曲目の Lester Bowie のトランペット、泣きますよ、本当に。限りない優しさを湛えた音の響き。気持ちが和ぎます。そんなに構えなくても充分やっていけてるから大丈夫だ、そういう励ましも時には必要な場合もあります。
テクニックを超越したトランペットの Lester Bowie は1981年作品。Art Ensemble of Chicagoでは、顔にペイントを塗っての Don Moye と Malachi Favors がリズムを灼爛させ、Roscoe Mitchell と Joseph Jarman がマルチでゴリゴリ・ギュルギュルと猛烈に檄を飛ばし続ける中で、なんか1人だけ汗をかいていなさそうなのが Lester Bowie。それがAECの魅力の1つでもあります。
16分の[1]は南部トラディショナルの香りさえするスピリチュアルな Lester Bowie オリジナル。リズムだけのオルガン Donald Smith がいい雰囲気。深いバリトンサックスは Hamiet Bluiett。Phillip Wilson(ds)、Fred Williams(b)にヴォーカルも加わります。リズミックな[4]も最高に楽しい。冴えまくりのECM録音の素晴らしさは言うまでもありません。
|
|
[ CD ]
|
Live at the Village Vanguard Again!
・John Coltrane
【Impulse!】
発売日: 1997-03-11
参考価格: 1,785 円(税込)
販売価格: 1,463 円(税込)
|
- 収録曲 - 1. Naima 2. Introduction to ... 3. My Favorite Thin...
|
カスタマー平均評価: 5
名盤である。しかし・・・ コルトレーンの「マイ・フェイバリット・シングス」のベストは「セルフレスネス」の中の一曲と言われるが、この盤の「マイ・フェイバリット・・・」にも驚愕させられる。コルトレーンの魂の底からの慟哭、ファラオ・サンダースの狂気が乗り移ったようなプレイ。名盤だろう。しかし、聴くのが苦しくなってくる。聴き手も、よっぽど元気で気力が充実していないと、聴いている途中で投げ出したくなってくる。へたすると、持っているだけで「聴かない名盤」になってしまう。(松本敏之)
叫ぶコルトレーン!叫ぶサンダーズ! 1966年5月28日、NYヴィレッジ・ヴァンガードで収録されたライブ録音です。前年の1965年あたりからコルトレーンのライブパフォーマンスは、どんどん長時間にわたるものになり、1曲にかける時間が数十分にも及ぶことも珍しくなくなっていました。これは65年に収録されたフランス・アンティーヴ・ジャズフェスティバルでの実況盤を聴くと分かります。しかし、そんなコルトレーンの趣向にオリジナルメンバーだった、エルヴィン・ジョーンズ(ドラム)やマッコイ・タイナー(ピアノ)はついて行けなくなり、唯一残ったのがベースのジミー・ギャリソン1人という状態。そこで、アンティーヴ・ジャズフェスティバルの後くらいから、ファラオ・サンダーズ(テナー&フルート)、ラシッド・アリ(ドラム)、コルトレーンの2度目の妻でもあるアリス・コルトレーン(ピアノ)、エマニュエル・ラヒム(パーカッション)を新たにメンバーとして迎え、後期コルトレーンサウンドが作られていくことになります。
そんな意味では、ライブアルバムとしての名盤「Live in Seatlle」と並んで後期コルトレーンを語るうえで重要な意味をもつのが、この作品です。「Live at the village vanguard」というと、この作品の5年前に同じ場所で収録されたかの名盤を連想しますが、5年前のライブパフォーマンスとこのアルバムとを比較しても、まったくと言っていいほど共通項が見当たりません。より深く精神世界の表現に没頭していたコルトレーンのプレイは悲鳴にも似た悲壮感を秘めていて、それを助長するかのようなファラオ・サンダーズのプレイとの相乗効果によって、聴く者を一種のトランス状態へと誘います。エマニュエル・ラヒムが終始打ち鳴らす乾いた空気感を漂わせるパーカッションが、そうした独自の音の世界に彩りを加えています。
先の「Live in Seatlle」は後期コルトレーンの特徴のひとつである「攻撃性」「暴力性」が前面に押し出されたライブアルバムでしたが、この作品ではむしろ穏やかで精神世界を追求することによってコルトレーン自身が体得した一種の「高み」が表現されているように感じます。ここで演じられた「Naima」や「My Favorite Things」の2曲は初めて演奏された時のニュアンスはことごとく破壊され、まったく新しい曲へと昇華されています。決して万人受けするポピュラーなアルバムとは言えませんし、初期コルトレーンに慣れ親しんだ人にとっては、ここでのパフォーマンスに触れることは一種の苦痛かも知れません。しかし、後のフリージャズシーンを語るうえでは、決して欠くことのできない重要作品であることは間違いありません。
それにしても、コルトレーンの最初の妻に捧げられた「Naima」をアリス・コルトレーンはどんな心境で演奏していたのでしょうか?そんな週刊誌的で下世話な憶測など彼らにとってはまったく無縁なのでしょうね。
僕にとってはNAIMA! 1966年5月28日NYCヴィレッジ・ヴァンガードにてライヴ録音。 『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』から5年。疾走と変貌を続けるコルトレーンにとって既に不動と言われたカルテットも残ったのはジミー・ギャリソンのみ。当たり前だが『続編』ではありえない。 『ナイーマ』の荘厳さ、『マイ・フェイヴァリット・シングス』の流麗さ・・・・このアルバムを聴くとアトランティック時代のあの曲がジョン・コルトレーンの中で成長し続け、もう一つの異形にしてフリーな大輪の花となったのを感じずにはいられない。 僕にとってのこのアルバムの引力は『ナイーマ』だ。コルトレーンが最初の妻ナイーマに捧げたこの曲。1954年に結婚、63年に別居、66年に離婚している。このアルバムでピアノを弾いているアリス・コルトレーンと出会ったのが1960年。この年はコルトレーンが自己のバンドを結成した年でもある。最初の妻に捧げた曲を演奏する今の妻。何とも罪な曲だ。15:09のこの演奏に色々な想いをはせながら毎度のめり込んでしまう(●^o^●)。
最高のマイ・フェイヴァリット・シングス コルトレーンは多くのマイ・フェイヴァリット・シングスを録音しているが、個人的にはこれが最高の演奏だと思う。イントロダクションのギャリソンのベース・ソロもベースをギターのように弾く、激しいソロからして今まで録音されたあらゆるマイ・フェイヴァリット・シングスとは別の曲と思うぐらいのソロで、コルトレーンもソプラノ・サックスでおなじみのメロディーを奏でるが、アドリブの内容は今までに無いほどスピリッチュアルで他にも、バスクラやフルートも演奏している。またファラオもファラオでしか演奏できないすばらしいテクニックのソロを聴かせてくれ、コルトレーンのバスクラとファラオのテナーがこの世のモノとは思えない会話を聴かせてくれる。ナイーマもコルトレーンの最初のフレーズからスピリッチュアルの一言!フリーのライブとしては最高におすすめの一枚!
コルトレーンのジャズ人生の集大成作 常に妥協に甘んじず、自己の内なる精神を追い求めた求道者のようなジャズマン・コルトレーン。彼にとっては名作と呼ばれる、「ジャイアント・ステップス」や「至上の愛」も単なる通過点にしか過ぎなかった。このライブで聴かれる音こそ、コルトレーンが彼の人生を賭けて追い求めたものだ。ここにあるのは、決して音の垂れ流しなどではなく、気高い精神こそが到達できる音の理想郷だ。ついにコルトレーンは凡世を突き抜け、浄土を成し遂げたのだ。
|
|